山手幼稚園では、これまでも子どもたちの思いを少しずつ形にできるように環境整備をしてきました。
例えば...
子どもは遊びを通していろいろな難しいことに挑戦しながら、身体も心も発育・発達し、創造性、主体性などが身につきます。また友だち同士の遊びは、情緒的、社会的、道徳的さらに知的発達をもたらします。
子どもは遊びの中から必要な能力が培われ、また感情の自由な表現をしながら大きく成長していきます。
子どもにとって遊びはとても重要です。子どもたちには、園庭の遊具で様々な遊びを経験し、学び、のびのびとたくましく育ってほしいと願っています。
遊具あそびを通して、「やりたいけどできるかな?」「きょうはやめよう。。」「〇〇ちゃんは登れてすごいな。」「あのすべり台で遊びたいな。」など、躊躇や葛藤を経験し、チャレンジして危険や恐怖を自らの能力だけで克服することで、達成感を味わったり、身体能力が高まっていくことは、子どもたちにとって必ず未来の宝になるはずです。
小さな危険を経験することは、自らの感覚や力を養い、危険を察知して自分の身を守るすべを知ることに繋がります。それがやがて大きな事故やけがを防ぐ力になっていきます。
無理をさせる必要はありませんが、子どもがなんの危険や困難を体験しないでそれを回避、克服するための知識、知恵、技能、判断力、身体能力などが身につくはずがありません。
遊具遊びを通して自分にできるかどうかという判断や、もし失敗したときにどうすればいいかという身のこなしを含めた総合的な力を身につけていってほしいと考えています。
保護者の皆様も子どもの頃を振り返ってみて、壁や崖や木があったら登ってみたり、ブロック塀の上を歩いてみたり、川石を飛んで渡ったり、水路を飛び越えたり、子どもの頃のプチ冒険の武勇伝はいくつかお持ちのことと思います。
五感をフルに稼働させて体験した遊び(学び)の思い出は、机上の知識よりも、体験した知識として深く心に刻み込まれ、生涯忘れない貴重な経験となっていると思います。
子どもの心に大きな影響を与えるのが遊びです。リスクを失くしてしまうと、遊びの面白さが失くなってしまいます。
子どもにとってのリスクとは、「これは危ない」「こうすると安全」と気づくきっかけになることです。これは、遊びの価値のひとつでもあります。
山手幼稚園の“にじのおしろ”は、すべての子どもたちが楽しむための遊具ではありません。
子どもたちの運動能力を伸ばすための「野山を模倣した構築物」です。したがって、ミッションをクリアした子どものみが2階~3階の利用が許されます。
また、自分の意志で、自分の能力でできることにチャレンジしてもらいます。
登りたくない子どもは無理して登らせません。あきらかに能力を超えたチャレンジをしている子どもはすぐに中止させます。
大人は安全管理をしますが子どもが登るための手助けはしません。
「自分の力で上がれなければ危ないんだよ」ということを教えていきます。
高いところは怖く危ない場所です。その怖さを感じさせながら、「発育発達段階に応じて冒険や挑戦をすること」と「安全確保」を両立させていきたいと考えています。
子どもたちが野山を駆け巡るように五感をフル稼働させて創造豊かにあそぶ。「究極の遊びは子どもたち自身が創造していく遊び」新しい遊具が子どもたちにとってそのような環境の一つとなることを望んでいます。
“にじのおしろ”で子どもたちが縦横無尽に体をしなやかに操りながら遊びまわり、しだいに知性的に社会性をもって身体的にもたくましく成長していく姿が、今から楽しみでなりません。
遊具で最も多い事故が転落・落下によるものです。
転落落下事故が起こらないように、2階の塀の高さは120cm以上とし、2階の登坂下降遊具以外の場所は、転落防止ネットを設置しています。3階は天井も含め転落防止ネットの設置など万全の対策を講じています。
万が一、2階の登坂下降遊具やすべり台などから転落落下事故が起きた場合、大きなケガとならないように、落下時の衝撃を吸収するため、床設置面はゴムチップ舗装を施しています。
また、遊具での事故が起こる要因は、約8割が「自分自身の行動要因」及び「お友達との行動要因」によるものです。
子どもたちが遊具を“より安全にチャレンジできる”ように「事故防止、ケガの軽減をはかるための服装の基準」や「落下の可能性がある遊具は順番を守り、押さず、ひとりずつ利用する」など遊ぶ時のルールを先生からしっかり子どもたちにお話して、決まりを守れるようにしていきます。
適度なクッション性で転倒や落下時のショックを軽減するために衝撃吸収材(ゴムチップ舗装)を敷布しています。
黒色は、クッションゴムチップ層
水色は、カラークッションゴムチップ層
2層構造で施工しています。