江戸時代も後半になってくると、嵯峨人形は、さまざまな市井(しせい)の風俗を取り上げるようになりました。それらを総称して、「風俗嵯峨」と呼びます。遊女・若衆・猿回し・芸人など、多彩な風俗のおもしろさが表れています。 また、諸肌脱ぎで、椎茸髱(たぼ)に結い上げた姐御などは、粋な姿でありながらも、少しも嫌味が感じられません。これらの人形のほとんどは、やはり、文化の都・京都で制作されているので、品格が漂ってきます。